Googleと情報大航海時代
先月にGoogleがオンラインExcelのiRowsを買収したことをこのブログでも書いた。iRowsとオンラインWordのwritely(昨年に買収)を統合して、Docs and Spreadsheetのサービスが開始された。ベータだといっているが十分実用に使えると思う。たんなるWordとExcel機能の統合ソフトではなく、それ以上の意味があり利用者にとっての利便性も高まっているというのが使ってみた実感である。
ひとつはWiki機能というか、そのコンセプトが採用されている。Wikiは誰でもどこでもいつでも文書の作成・編集ができるのが基本思想で、群衆の知恵を反映する仕組みでもある。しかし、現実のビジネスで使う文書は、Wiki思想のままではセキュリティやプロジェクト管理面から問題がある。
そこで、二つ目の特徴であるが、Wikiの柔軟性や文書の履歴管理などの機能を取り入れながら、文書のアクセス権限のコントロールをできるようにしている。ビジネス文書の共有や共同作成を可能にすることを目指しており、ワープロや表計算ソフトではなく、コラボレーション用ソフトというべきだろう。
三つ目は他のブログサイトへ投稿できる機能である。このブログの記事「日本版Wikiエンジン」は、実はwritelyで作成したもので、Docs&Spreadsheetへ移行した後、試しにDocsからブログ投稿したものである。Docs文書ファイル名がブログのタイトルになるといいのだが、WordPressではサポートされていない。それを除けば、ブログ投稿ツールとしてDocsを活用できる。
Docsはインターネットのあちらの世界で実現されている「オフィス生産性ツール」であり、コラボレーションや個人出版ツールでもある。いずれはGoogle Groups(これもベータと称している)との統合や住み分けがされていくだろう。Groupsは、過去20年の知恵の蓄積を引き継いで最新のSNSへと進化する過程にあると思う。ビジネスで活用できるSNSは、複数の人が複数のコミュニケーション(ネットワーク)を用意に行え、セキュリティとプライバシーが確保されないと普及しない。いまのSNSは沿おう方向のコミュニケーションが基本で、コラボレーションには限界がある。DocsやGroupsのさきに、Googleが狙う有望市場が広がっていると考える。
それが、情報大航海時代を十数年体験し、研究してきた米国勢が目指す「情報の発信、蓄積、共有、活用」の姿ではないだろうか。