Second Life―新しい感性のSNS世界
十数年前のモデム接続時代から試行されてきた会員制のSNSがある。当時はSNSとは言わなかった。いわゆる仮想世界 Virtual World あるいは Virtual Community というコトバで呼ばれていた。インターネットとポータルの発展により、yahooやMSNがアバターという化身を参加者のプロフィールに活用した以外は忘れ去られた存在となった。
ところが今年になってアメリカを中心にまたメディアが取り上げるようになった。しかも、かつてのようなエンターテインメント、RPGとかMUDsの世界ではなく、ビジネスの世界での活用である。米ビジネスウィーク誌が表紙に取り上げ、米国IBMのパルミサーノ会長が、仮想世界で新製品の発表を行うといったニュースが流れたことも影響している。
その代表的な企業がLinden Labで、同社の Second Life サービスが話題になっている。まもなく日本語版サービスを開始する予定である。私は英語版の会員である。今年はじめに会員数が10万人くらいだったのが、現在(米12月8日)190万人を超えた。今年末には200万人になると思うが、10月頃に100万人を超えたと記憶しているのが正しいと三ヶ月で倍増するということである。
Virtual Communityの歴史的経緯は、話すと長くなるが、最も古くて有名なのが1985年にサービスを開始した The Well である。このコミュニティに言及して、 Howard Rheingoldが書いた本「Virtual Community」(1993年)で当時のバズワードとなったものである。Lucas FilmのHabitatは、はじめてアバタ(Avatar)なるものをつかった仮想世界のコミュニティを構築したことで有名である。
Second Lifeはそうした技術と仮想コミュニティの流れを継承するものである。それがビジネスの世界で活用されるというのは時代の違いなのであろうか。おそらくデジタル原住民が活躍する時代になったことに起因しているのかもしれない。IBM会長が参加するのも、Second Lifeでの活動にに熱心な現役IBM社員(デジタル原住民)の働きかけがあったからであることは想像に難くない。
それにしてもIBMにかかわらず、トヨタ、コカコーラ、インテルなどが顧客でマーケティングツールとしても使っているというのは、やはり時代の大きな変化である。じつは私は90年代の後半にこの種のビジネスにかかわっていたので他人事ではない感慨がある。体験版SNSのΣSIGMA を作った理由のひとつでもある。
∇参考記事リンク
>My Vertual Life, Businessweek, May 1, 2006
>Living a Second Life, Economist, Sept 28, 2006
>Second Life Lessons, Businessweek, October 30, 2006
>Millions of us 元Linden Lab社員がスピンアウト
>Reuters Second Life ロイターSecond Life支局