Vista販売とMS支配力凋落
今日午前0時からビスタの販売が開始され、マニアたちは秋葉原の店頭で我先にビスタを買い求めた。しかし、その熱狂振りはWindows95のときとは比べ物にならない。XP以来5年ぶりの新製品販売であるが、企業向けには昨年11月から販売されている。
一般ユーザに対しても一年前からベータ版がリリースされ、マニアックな人たちはビスタを無料でダウンロードして試用している。発売開前からセキュリティホールが見つかったり、納期が何度も遅れたりで、せっかくの新製品発売に水をさした格好でもある。その影響もあってか、Microsoft社の第三四半期業績が悪化し、20%の減益を報告した。
海外でのビスタに対する評価は決して高くはない。それどころか批判的な論調が目立った。たとえばEconomist誌では、WindowとOfficeシリーズの売上が60%を占めるMicrosoft帝国にもかげりが見えてきた。Vista購入に列をなす消費者はすくなく、その巨大な支配力はピークに達した・・・と評している。
Microsoftの支配力がゆっくりと崩れつつある。現在では多くのパソコンがオープンソースを利用するようになっている。多くのサービスやソフトウェアプログラムの一部はオンライン上でのアクセスが可能である。人々はYouTubeを利用してデジタル画像を楽しみ、Flickrで写真を共有し、e-mailチェックだけでなく、ウェブベースのソフトウェアを利用することで、ファイルやスプレッドシートの利用も出来るようになった。
筆者自身も一昨年あたりからWordやExcelはほとんど使わなくなった。writelyとiRowsを重宝してきた。そして、昨年10月にこの二社を買収したGoogleが、Docs&Spreadsheetをリリースしてから、機能・性能が格段に改善され、仕事や個人的な情報管理・コミュニケーションに威力を発揮するようになった。Wiki(JotSpot)はすでに取り入れられ、グループウェア機能もベータがリリースされ、SNS的機能も取り入れられつつある。
ブラウザーも、セキュリティアップデートがやたらと多いIEは使わず、オープンソースのFireFox、メールクライアントもOutlookではなく、やはりオープンソースのThunderbirdを使うといった具合である。クライアントPCでよく使っているマイクロソフト製品は、ファイル管理のExplorerくらいである。そのExplorerも肥大化し遅くて閉口している。
筆者のような使い方をしている人はまだ少ないかもしれないが、情報と知識が増えて気づいた人は筆者と同じような使い方、すなわちマイクロソフト製品以外のツールを多用するようになる。このような変化は、 Microsoftにとっては悪いニュースである。同社以外のベンダー、オープンソース陣営、そして日本のソフト業界にとっては良いニュースである。長く続いたMicrosoft社の支配力が弱体化していくことは確かであろう。これだけOSSやCGMあるいはSAASが普及してくると、MicrosoftといえどもInternet普及期のようにビル・ゲーツが気づいてリソースを集中投入して、勢いと支配力を強化したときのようにはいかないと思う。(つづく)